<8>調理法について

素材の栄養やおいしさをまるごといただくには、調理に工夫が必要です。
野菜は皮をむかずに、きれいに洗って使います(タマネギやサトイモをのぞく)。皮には大切なミネラルが含まれているので、皮ごと調理します。

ゆでこぼさず、なるべくアクぬきもしません。ゴボウやレンコンなどアクの強い根菜は、水につけるのではなく、油で炒めることでアクを旨みに変えることができます。水もどしが必要な海藻類や乾物も、短時間で水から引き上げて、大切な栄養分やおいしさを水に逃がさないようにします。

一般的に、仕上がりの美しさを求めて、大根やにんじんなどは皮をむき、ごぼうやれんこんなどは酢水にさらしてアク抜きをしますが、実はとてももったいないことをしているんですね。というのも、野菜の皮には旨みや貴重な栄養成分が多く含まれていて、アクも野菜のおいしい風味で、調理の仕方で上手に旨みに変えることができます。そこで、料理の工夫をして、これらも丸ごといただくようにしましょう。

まず野菜は皮をむかずに、ふきんや小さなタワシでやさしく、ていねいに洗って汚れを取り除き、皮ごと使います。皮には大切な無機成分(ミネラル)や旨み成分が含まれているので、基本的にむきません(玉ねぎ、里芋を除く)。このように素材を丸ごといただくので、農薬の心配がない、安全な野菜選びも大切になります。

また、なるべくゆでこぼさず、アク抜きもしないで調理します。ごぼうやれんこんなど比較的アクの強い根菜は水につけるのではなく、油で炒めることでアクを旨みに変えることができます。最初はツーンとした香りが、しっかり炒めると、ほのかに甘い香りがしてきます。これが旨みに変わった瞬間です。ゆでた青菜も水に浸して冷やさず、盆ザルに広げて自然に冷まします。

水戻しが必要な海藻類や乾物は、あらかじめ汚れはさっと洗って取り除き、戻すときは短時間で水から引き上げて、戻した水も捨てずに煮汁として使うと、水に溶けた成分も丸ごといただけます。

ただし野草、たけのこなど、もともと非常にアクの強いものは例外的にアク抜きを行います。また、じゃがいもの芽は強い毒性があるので、丁寧に取り除きます。