<4>副食について

日本人の体に合った和食がいちばん

日本は温暖湿潤な気候で、植物がさかんに生育し、四季の変化に富み、旬の産物が豊かな国です。こうした環境で私たちの祖先は、穀物を主食とし、季節の野菜、豆、海藻などをおもな副食としてきました。こうした植物を中心とした食事が、日本人の身心を支えてきたのです。

最近では国連の機関でも、そうした伝統食の知恵に学んだ食生活を提唱をしています。食事全体の2分の1以上を主食にし、副食の2分の1以上を植物性とし、動物性は全体の4分の1未満におさえることが望ましいとされています。

こうした穀物を中心とした伝統食にすると、自然と栄養バランスがととのい、過剰栄養になることも少なく、健康に過ごすことができます。まず穀物で活動エネルギーとなる炭水化物をとりますが、それだけでは不足しがちなタンパク質や無機成分(ミネラル)は、豆や豆を加工した味噌や醤油でとることができます。また海藻やゴマもカルシウムなどの無機成分(ミネラル)を豊富に含んでいますし、塩類バランスのとれた海の精ブランドの含塩調味料を使えば、調味料からも無機成分が補給できます。伝統的な和食の食材と調味料は、全体で補い合いながら、充分な栄養をとることができるんですね。

そして野菜を中心とした植物性の副食にすると、自然に季節感にあふれた食卓となり、彩りも豊かになります。また旬の食材をいただくことで、季節の気候にあわせた体調の調整も、自然にできるようになります。食べることがまさに体を養ってくれます。

一方、動物性の副食を多くしすぎると、高タンパク・高脂肪で栄養過剰となり、メタボリック症候群や生活習慣病の原因となります。消化吸収するうえで内臓への負担も大きく、新陳代謝によって多くの老廃物を生み出します。動物性の副食は、お祝い事やお祭りなどの特別な日のごちそうぐらいに考えて、健康のためにはなるべく少なくする方が良いのです。

火や塩をきかせた野菜をいただきましょう!

最近では野菜というと“サラダ”を連想する方が多いですが、これはもともと肉や魚の付け合わせで、動物性のおかずの消化をよくするためのものです。

伝統的な和食のおかずは、火を通した野菜や豆、海藻が主なものです。煮る、焼く、炒める、揚げる、ゆでるなど、さまざまな調理法がありますが、火を通すことで消化がよくなります。そして塩味をきかせることで消化吸収もアップして、食事の無機成分(ミネラル)のバランスがととのいます。素材の旨みも凝縮されて、食べやすく、量もいただけるようになります。

また火を通さない料理の漬物も、塩などの含塩調味料に時間をかけて漬けることで、野菜を消化しやすくしています。それに、さまざまな有用菌の働きで独特な香り、味、食感などの風味、そして体にとって有効な成分も生まれます。梅干やたくあんがその代表ですが、これは日本の風土が生み出した発酵食品で、すばらしい健康食品でもあります。

このように伝統的な和食のおかずは、とても合理的で豊かな食文化を伝えています。ぜひ昔ながらのおかずや食品を見直して、日々の健康のためにも毎日の食事に取り入れましょう。