<5>水とだしについて

人の体の約70%は水分で、水は人が生きていくうえで欠かせません。料理するときにも、水は欠かせません。飲み水だけでなく、料理で水を使う場合も、できるだけ安全な水を使いたいものです。そのために、もっとも手軽なのが浄水器です。水道水の有害物質を除去し、安全な水にととのえてくれる良質な浄水器を利用しましょう。それができない場合は、水道水をためた中に炭を入れて、消毒剤(カルキ)だけでも除いてから使いましょう。

だしは、日常的には昆布と干しシイタケでとります。良質の旨味成分だけでなく、体に有効な成分も多く含まれています。昆布7:干しシイタケ3の割合が理想です。煮干しやカツオ節は酸化しやすいので、良質で新鮮なものをたまに用いるくらいにしましょう。

昔ながらの基本調味料を使えば、特にだしを使わなくてもおいしい料理ができます。どんな素材も、それ自身が旨味成分をもっています。塩類バランスのとれた海の精ブランドの含塩調味料を使えば、素材そのものの旨味を楽しむことができます。

水の大切さ

水は人間の体の約60~70%を占めています。どんな水をとるかは、健康を左右するともいわれ、多くの水が売られています。もちろん料理をするときにも、水は欠かせません。だしを取ったり、お米を炊くだけでなく、野菜を洗ったりする水もできるだけ安全な水を使いたいものです。

そのために、もっとも手軽なのが浄水器です。水道水の有害成分を除去し、安全な水にととのえてくれる良質な浄水器を利用しましょう。

また浄水器を使わずに、水道水の塩素臭を取り除く方法は、

  • 煮沸する…ヤカンのふたを取って5分以上煮沸する
  • 活性炭を利用する…くみ置きした水に活性炭を一晩漬ける
  • 炭や石を利用する…くみ置きした水に炭(備長炭や竹炭)や石(花崗岩、麦飯石、長石、黒曜石、トルマリンなど)を一晩漬ける

といった方法があります。いずれも塩素を除去するので、利用した方が良いです。

軟水と硬水

水の分類の一つに「軟水」と「硬水」があります。これは水に溶けているカルシウムとマグネシウムの量が基準になっています。日本の水はほとんど軟水で、ヨーロッパの水には硬水が多いのです。このような違いが生まれた理由は、土地に含まれる無機成分(カルシウムとマグネシウム)の差から来ています。

こうした水の質の違いは、異なった食文化を生み出しました。日本では、昆布や干し椎茸などでだしを取る“だし文化”がありますが、これも軟水だからできることです。硬水では煮ている間にだしの旨み成分がアクとなって逃げてしまいます。日本茶も軟水で入れるからおいしいのです。お茶に含まれるほどよい渋みと香りを、軟水が上手に引き出してくれるからです。また日本のお米(ジャポニカ米)を、ふっくらつやつやに炊き上げてくれるのも、野菜や魚をふっくらとやわらかく煮て、だしの味をやさしくしみ込ませてくれるのも、軟水だからこそなんですね。  逆に、タイ米など(インディカ米)のようにパサパサした食感が特徴のお米や、肉料理には硬水の方が向いています。アッサムやウバというインド産の紅茶も、硬水の方がおいしく入れられます。軟水では渋みが増して、飲みにくくなります。

このように水の違いを知って、料理や素材によって使い分けてみると、より味わい深く料理が楽しめるでしょう。

だしについて

だしは、日常的には昆布と干し椎茸でとるのがおすすめで、昆布7:干し椎茸3の割合が最適です。良質な旨み成分だけでなく、体に有効な成分も多く含まれています。煮干しやカツオ節は酸化しやすいので、質の良い新鮮なものをたまに用いるくらいにしましょう。

また、しっかりした基本調味料(塩・醤油・味噌など)を使えば、とくにだしを使わなくてもおいしい料理ができます。それはどんな素材も、それ自体が旨み成分をもっているからです。塩類バランスのとれた海の精ブランドの含塩調味料を使えば、素材そのものの旨みを楽しむことができます。

  1. 昆布だしを使う

    ヨードとビタミンB12をたっぷり含む昆布のエキスは、旨みと一緒に抵抗力のある体をつくります。

    • 昆布を一晩(7~8時間)水につけておき、水だしをとる。昆布は好みに切って素材と一緒に煮込む。
    • 昆布を水に入れて沸騰させ、10分くらい中火でコトコト煮てだしをとる。昆布は好みに切って具として活用する。
    • 料理するときに昆布を一緒に入れる。

    *いずれもコトコト煮込んで、昆布の旨みを十分に活用します。レシピで「昆布だし」と出てきたら、これらの中からその場にあったやり方を選んでください。

  2. 干しきのこ(しいたけ、しめじ、まいたけ)のだしを使う

    干しきのこはビタミンDや、さまざまな無機成分(ミネラル)の宝庫です。

    • 干ししいたけをぬるま湯につけて戻す。強い旨味。中華料理などに。
    • 干ししめじをぬるま湯につけて戻す。ソフトな旨味。コンソメ(おすまし)の素。
    • 干しまいたけをぬるま湯につけて戻す。炊き込みご飯、鍋料理などに。

    *いずれも戻したきのこは具として使います。昆布だしで戻すと、さらに風味の高いだしになります。

  3. 砂糖やだしの素なしで料理してみる

    海の精ブランドなどの日本の海水から自然な製法で生産され、にがり成分を充分に含んだ調味料を使えば、素材から自然な甘みや旨みが引き出されるので、甘味食材(砂糖)や旨味食材(だしの素)を入れなくても、充分満足できる料理に仕上がります。また自然の豊かなおいしさが味わえて、季節感のあふれる料理を楽しむことができます。

  4. だしなしで料理してみる

    だしをとらなくても、海の精を使えば素材から旨み成分が引き出されます。また野菜など素材の組み合わせからも、おいしい旨みが生まれます。海藻と煮合わせると、さらに旨みたっぷりの料理になります。