
食材は、おもに野菜などの生鮮食品と調味料や乾物などの加工食品に分けられます。
生鮮食品は、なによりも旬の新鮮なものがいちばんです。季節を先どりした“はしりもの”よりも旬のものの方が、栄養が豊富で、値段も安いので、お買い得です。なるべく地元や国産の旬のものを選びましょう。当然ですが、できるだけ農薬や化学肥料を使っていないものが安全で、栄養や味もすぐれています。そうした表示にも関心をもって選びましょう。
加工食品は、伝統的な製法でつくられ、食品添加物を使っていないものが、本来の味と働きをそなえています。加工食品にはかならず表示されている、一括表示の原材料名欄をよく確認してみましょう。また、できれば製造方法を確認できるものを選びましょう。とくに調味料は、高くても本物を選びましょう。
思いがけなく感じられるかもしれませんが、もっとも大切なことの一つは、どんな塩を使っているかということです。海の精ブランドなどの日本の海水から自然な製法で生産され、にがり成分を充分に含んだ、塩類バランスのとれた海塩を使ったもの選びましょう。そうすれば砂糖や化学調味料にたよらない、素材そのもの味を生かした料理ができます。

海の精が提唱する基本調味料は、塩、味噌、醤油、梅酢の4つです。
これらの含塩調味料は、素材の味を引き出しておいしく仕上げ、無機成分をととのえて栄養を吸収しやすくしてくれます。基本調味料がしっかりしていれば、そんなにいろいろな調味料はいりません。かんたんで経済的に、おいしい料理が作れます。
塩は、なるべく早めに入れるように心がけてください。そうすると、さまざまな成分が、素材の有機成分と結合して甘味と旨味を引き出し、生命力を高める絶妙なおいしさが生まれます(なお、小豆など素材によっては、やわらかくなってから加えた方がよいものがあります)。私たちがおいしいと感じる塩分は、体液よりやや濃いめの約1%。口の中でかんで混ぜ合わせたときに、塩分が1%になるよう、主食と副食の量と塩分のバランスを体得することが、お料理上手への近道です。

主食は私たちの体をつくり、毎日の活動のエネルギー源となるものです。
日本では粒のままの穀物(ごはん)を主食としてきましたが、これは栄養バランスに優れ、エネルギー代謝もよく、理想的な主食といえます。なかでも米は、日本の風土と日本人の体にとてもあっています。こうした粒の穀物(玄米、分づき米、ひえ・あわ・きびなどのごはん)を主食の中心におきましょう。
穀物を粉にしてつくられたウドンやソバ、パンやスパゲティーなどは、ときどき補助的にいただくぐらいにしましょう。食事全体の少なくとも半分を主食にすると、消化効率がよくなり、エネルギー代謝がスムーズに進みます。これは人間の歯の構成からも裏付けられた比率です。

日本は温暖湿潤な気候で、植物がさかんに生育し、四季の変化に富み、旬の産物が豊かな国です。私たちの祖先は、穀物を主食とし、季節の野菜、豆、海藻などをおもな副食としてきました。こうした植物を中心とした食事が、日本人の身心を支えてきたのです。
最近では国連の機関でも、そうした伝統食の知恵に学んだ食生活を提唱をしています。食事全体の2分の1以上を主食にし、副食の2分の1以上を植物性とし、動物性は全体の4分の1未満におさえることが望ましいとされています。
野菜を中心とした植物性の副食にすると、自然に季節感にあふれた食卓となり、色どりも豊かになります。また、季節の気候にあわせた体調の調整も、自然にできるようになります。海藻を加えることで、さらに無機成分(ミネラル)が豊富になり、不足しがちなカルシウムなどを補ってくれます。一方、動物性の副食を多くしすぎると、高タンパク・高脂肪で栄養過剰となり、メタボリック症候群や生活習慣病の原因となります。消化吸収するうえで内臓への負担も大きく、新陳代謝によって多くの老廃物を生み出します。動物性の副食は、特別な日のごちそうぐらいに考えて、健康のためにはなるべく少なくする方がよいのです。

1日に摂取すべき塩分は人によってまちまちで、「1日10グラム以下」といった数字で決められるものではありません。というのは、必要な塩分は性別、労働、体質などによって異なるからです。
たとえば夏の炎天下で肉体労働をしている男性と、温度や湿度が調整された部屋でデスクワークをしている女性が、同じ塩分の食事をするというのは、むりがあります。また同じ人でも、季節やその日の体調によって調整する必要があります。
では、なにを基準に適塩を決めればよいかといえば、「おいしい」と感じる身体感覚です。体が冷えを感じたときや汗をかいたとき、体は塩分を必要としており、いつもより少し強めの塩味をおいしく感じます。逆に体が熱いときや静かにすごしているときは、いつもより少し弱めの塩味が落ちつくはずです。栄養学やさまざまな理屈から計算された数字ではなく、自分自身の「おいしい」という感覚にそった塩加減が、その日その時、あなたの体が必要としている塩分量です。むりな減塩を続けていると、食事がおいしく感じられず、食欲が落ちます。そして体に必要な塩分が補われないために、代謝機能や免疫機能が低下して、さまざまな不調の原因にもなり、気力も低下します。おいしい塩加減は元気のもとです。おいしく感じられない、むりな減塩は、体のためにも心のためにも止めましょう。
体には、塩分をとりすぎると、かわきを感じて水分を補い、血液中の塩分濃度を調整する働きがあります。だから、ふつう、塩分過剰は起きないようになっています。自分自身の体や舌で「おいしい」と感じる塩加減を基準にして適塩しましょう。

まず、どういう種類の油脂をとるかですが、穀物と野菜が中心の伝統的な和食には、植物性のなたね油やごま油が合います。
天ぷら油やサラダ油のように、用途が油の名前になっているものは、いろんな精製油が混合されているため、避けた方が無難です。また、油を効率よくしぼるために、溶剤などの化学薬品を使ったものがありますが、安全面で心配が残ります。値段は高くなりますが、原材料のはっきりと分かるもので、伝統的な圧搾絞りの油を選びましょう。そうした油は、香りがよく、油そのものに旨みと風味があり、コクのある料理に仕上げてくれます。
近年、使われるようになったオリーブ油やエゴマ油は、料理の幅を広げるために、ときどき使うのが良いでしょう。
次に、どれくらいとるかは、何を食べているかで大きく違ってきます。
玄米食ならば、米の皮に油が含まれているため、それほど油をとる必要はありません。また油の多いおかずはおいしく感じられないはずです。分づき米の主食に、植物性の副食の場合は、素材に含まれる油が少ないので、玄米食よりも積極的に油をとる必要があります。味覚的にも油を使った方がおいしく感じられます。動物性食品が多い食事では、それ自体に脂が含まれますから、やはり油は少なめで良くなり、野菜をたっぷりとって、その消化を助ける必要が出てきます。
主食やおかずのバランスから、胃腸に負担なく、おいしく食べられる油脂の量を判断しましょう。揚げものがあれば、消化を助ける大根おろしや生姜を添えたり、炒めものがメインなら、おひたしや漬けものを添えるなど、一食の中でバランスのとれた献立になるよう工夫しましょう。

人の体の約70%は水分であり、水は人が生きていくうえで欠かせません。食べ物を料理するときにも、水は欠かせません。飲み水だけでなく、料理で水を使う場合も、できるだけ安全な水を使いたいものです。そのために、もっとも手軽なのが浄水器です。水道水の有害物質を除去し、安全な水にととのえてくれる良質な浄水器を利用しましょう。それができない場合は、水道水をためた中に炭を入れて、消毒剤(カルキ)だけでも除いてから使いましょう。
だしは、日常的にはコンブと干しシイタケでとります。良質の旨味成分だけでなく、体に有効な成分も多く含まれています。昆布7:干し椎茸3の割合が理想です。煮干しやカツオ節は酸化しやすいので、良質で新鮮なものをたまに用いるくらいにしましょう。しっかりした基礎調味料を使えば、特にだしを使わなくてもおいしい料理ができます。どんな素材も、それ自身が旨味成分をもっています。塩類バランスのとれた海の精ブランドの含塩調味料を使えば、素材そのものの旨味を楽しむことができます。

